目指すは国内外への発信 フランスの美術コンテストで受賞した「船箪笥」

加藤渉さんは、4年前まで、東京の大手電子機器メーカーで製品設計などを行っていました。そのスキルを活かし、父が持つ設計図を3Dデータに変換。今回の船箪笥づくりにも役立てられています。
加藤渉さん「いま持ち得るすべての技術を使って、国内外に発信できるのではと思って挑戦している」
目指すは国内外への発信。
実は去年、そのきっかけとなったことが・・・

加藤木工の船箪笥は、東京のイベント運営会社に注目されたことがきっかけとなり、去年フランスでの美術コンテストに出展されました。
初の海外でのお披露目で、審査員特別賞を受賞しました。
さらに、先月には、京都で開催された美術展でもオファーがあり、続々と注目される場が増えてきているといいます。

加藤渉さん「やはりいい伝統工芸品なので、次世代に残していってほしいという感想はいただいた。自分の地域だけではなくて他県でもそういった反応をもらえたのはうれしい限り」
かつて、地元、酒田でも栄えていた船箪笥をより多くの人に知ってもらいたい。
当時の姿に近づけるための「蟻組」の加工もようやく終盤に。
加藤渉さん「もう指物師としての大きいところはここだけなんで、京都で展示させてもらって皆さんの興味をひく部分が分かってきたので、楽しんでもらえるような作品に仕上げていきたい」
まだまだ骨組みの一部ができたばかり。
これからおよそ1か月をかけて、完成させていくということです。

加藤木工・加藤渉さん「できる限り、昔の酒田の技術を残していく一方と、さらには庄内地方、酒田だけで作っていくというような一つの指針としても、完成することは大きな意味あいがあると思っている」