渋谷駅前の渋谷スクランブルスクエア2階の通路に絵が描かれた点字ブロックが期間限定で設置されました。両サイドに黄色の帯を残しつつ、全体に絵が描かれたフィルムが貼り付けられています。

点字ブロックというと色合い的には黄色のイメージですが、そもそも点字ブロックに絵を付けてもいいのか。なぜ見にくくするようなことをするのか。そんな疑問が沸き上がります。ということで、今回はこの取り組みを取材しました。

街中の点字ブロックには問題がある?

国土交通省によると「交通バリアフリー法」下の省令で「原則黄色か、周囲の路面との輝度比が大きく容易に識別できる色」と定められていますが、守らなくても罰則がなく、見やすさの配慮は道路管理者に委ねられているということです。確かに、場所によっては路面と似たような色だったり、金属の突起だけがついているというところも多いです。

このアート点字ブロックを製作したSTREET ARTLINE PROJECT実行委員会代表の阿部佑紀さんに、街中の点字ブロックの問題点を聞きました。

「STREET ARTLINE PROJECT」実行委員会代表 阿部佑紀さん
「渋谷を実際に歩いてみて一番目についたのが、点字ブロックが剥がれていたり、つながってなかったりする所が結構ある。2年前に私たちが行った調査では、渋谷区の観光名所のうち93か所は点字ブロックがつながっていなかった。視覚障がい者に聞くと『渋谷で行きたい場所はいっぱいあるのに、点字ブロックがつながっていないから行けない』とか『人がたくさんいるような場所は点字ブロックがあったとしても歩きづらいから行きたくない』という声があった。渋谷というダイバーシティ&インクルージョンの先進を行くとされている街で、そもそも街を自由に歩けない人がいるのは大きな矛盾じゃないですか」