“あいまいすぎる”難民認定の基準
新たな資料がない3回目以降の申請者を、強制送還していいのか。
まさにその3回目に、ようやく難民認定された人がいます。
中国国籍のAさん(70代)は、中国共産党を批判する政治活動を、日本で続けてきました。

このため、帰国すれば、政治犯として拘束される恐れもあり、難民認定を求めて、3回にわたり申請しましたが、認められませんでした。

ところが、不認定の取り消しを求めていたところ…
Aさん
「びっくりしました。認められたの」
最初の申請から、19年目の2022年、3回の申請を経て、ようやく難民として認定されたのです。

Aさん
「同じ申請の理由で、証拠も同じ。日本政府の難民認定の基準は、やっぱりあいまい」

3回目の申請中に強制送還されれば、こうした3回目の認定を奪いかねません。
2022年まで10年間、難民審査参与員として、難民審査で認定されなかった人の再審査を担当してきた、阿部浩己 教授は…

明治学院大学(国際人権法) 阿部浩己 教授
「これほど徹底して、難民として認定されないという状況が続いているというのは、国際的な水準に照らして、説明できないのではと思っています」
阿部教授が難民として認定すべきと判断した約40件全てが、認定されなかったといいます。

明治学院大学(国際人権法) 阿部浩己 教授
「3回目だから、相当な資料も提出されないし、強制送還の対象ということになっていくと、国際人権法、難民法に照らして、非常に問題があると思います」