入管法改正案で、高まる強制送還の不安

Sさん
「結果はダメだと。なぜ本物(の資料)を出しているのに認められないのか。苦しくなった」

難民とは認定されませんでした。

Sさんを支援する 大橋毅 弁護士
「多くの場合、難民というのは、証拠を持ってこられないので、証拠が足りないから、難しい場合があるんですけれども、彼の場合は、その証拠がはっきり存在するんですね。当然、認定されるべき人だと思っています」

Sさんは現在、4回目の難民申請中です。

これまでの法律では、難民申請をしている間は、強制送還されませんでしたが、現在、審議されている入管法改正案では、申請者でも、“申請が3回以上であれば、新たな資料などがない場合、強制送還できるようにする”規定が盛り込まれています。

法案が成立したら、Sさんは将来、強制送還になる可能性があると、弁護士は見ています。

TBS 萩原豊 解説・専門記者室長
「もし法律が通って、トルコに帰れと言われたら、トルコに今帰ることはできますか?」

Sさん
「できないです。絶対帰れない」

トルコに帰国したら、政治犯として逮捕・収容され、拷問されるかもしれないと心配しています。

Sさん
「明日起きてどうなるか、次の日がどうなるか、そういう感じなんです、うちらは」

子どもたちは、日本で生まれました。夫が強制送還になったら、家族の暮らしは成り立ちません。

Sさんはこれまで、長きにわたって、就労すら認められない、「仮放免」という不安定な状態に置かれています。

在日クルド人の会見(18日)
「強制送還されたら、私の人生はめちゃくちゃになってしまいます」

支援者によると、埼玉県などに住むクルド人は、3000人とも見られ、多くが、難民認定されていないといいます。