「難民鎖国」。日本は国際社会からこう呼ばれています。他の先進国と比べ、難民の認定者数が極端に少ないからです。

今、国会では外国人の「強制送還」を迅速に進めることなどを柱とする入管法の改正案が審議中です。この法案は何をもたらすのか。当事者を取材しました。
身に覚えがないのに実刑判決…強制送還されたら迫害される
埼玉県に住むトルコ国籍でクルド人のSさん(30代)。

Sさんの妻「すごく心配してる。本当に怖い」

妻は毎日のように、Sさんに、「入管法はどうなったのか?」と聞くと言います。Sさんの強制送還を恐れているからです。

2002年に初来日しましたが、日本からトルコに強制送還された際、突然、現地の空港で拘束されました。
クルドの旗を胸につけた写真などを持っていたことから、全く身に覚えがないにもかかわらず、“テロ組織の支援者”とされました。

“国家を持たない最大の民族”であるクルド人が、自治を求めて、トルコ政府と対立してきたことも影響したとみられます。

Sさんは釈放後、再び日本に戻ったものの、母国での裁判で、3年9か月の実刑判決が出たことなどから、「帰国したら迫害を受ける恐れがある」として難民認定を申請しましたが…