「市街地で新築が禁止」「高額な葺き替え費用」茅葺き屋根は減少の一途


 しかし、日本では1950年に建築基準法で『燃えやすい素材』だとされ市街地に茅葺き屋根の家を建てることが禁止されました。数十年おきに発生する高額のふき替え費用もネックとなり減少の一途を辿っています。

 (茅葺き職人 相良育弥さん)
 「このままいくと茅葺き屋根がどんどん廃れていっているので、何とかしないといけないなと」

屋根だけでない新たな可能性…美容院の壁一面にできた「茅葺き」


 『伝統を途絶えさせてはならない』と、相良さんは今、住宅の屋根だけにとどまらず店舗や公共の建築物などに新たな可能性を見出しています。神戸市内の美容院ではエントランスを入った瞬間に美しい「髪の毛」がイメージできるようなものをデザインして欲しいと依頼を受けました。そこで、光が当たると輝きが増す小麦のわらを壁一面に葺くことで店の「顔」を作り出しました。

 (美容院を訪れた客)
 「ちょっとびっくりしました。前までと全然違うかったので。こんなにお洒落に(茅葺きを)使うことがあるんだなというのが一番驚き」
 (美容院「DiO」宮崎和悦オーナー)
 「髪の毛にも毛並みがあって、それを出せたらいいなという話をしていて…それがばっちり出ているので、すごくいい」