日本の安全保障「基軸は日米同盟」

 ーーそして日本の安全保障はどのように考えていけばいいのでしょうか。日本はアメリカとは同盟関係にあります。そして日本、アメリカ、オーストラリア、インドが参加する「Quad(クアッド)」という枠組みがあります。さらにアメリカと同盟を組む韓国との関係を強化していくのか、ロシアの抑止力となっているNATOとの関係を強化していくのか。安全保障の枠組みや協定、同盟についてはどのようにお考えですか?

 「基軸は日米同盟ですし、隣国の韓国の政権が変わって日韓関係が改善できるのではないかと期待をしています。北朝鮮の問題についても、中国の軍需拡大の話、ロシアの極東の動きにしても、日本、韓国とアメリカがしっかりと安全保障の観点から手を組んでいくというのは大事なことだと思います。また、中国の軍需拡大を考えれば、クアッドの枠組みを日本もこれまで大事にしてきました。インドは、戦闘機をはじめ武器をロシアに依存しているところがあるため、現在のこの状況下で、なかなかインドが我々と足並みを揃えることができないというのが非常に残念ですが、ロシア製の戦闘機『ミグ』をインドは揃えています。戦闘機を飛ばすためには部品の供給が常にきちんと来なければ戦闘機を飛ばせなくなってしまうというところから、少しインドが対ロシアについてはぶれていますけども、それ以外の観点ではこのクアッドでしっかりできる。あるいはオーストラリア、アメリカとイギリスが加わった『AUKUS(オーカス)』という枠組みもありますけれども、そこに日本が加わるということもありうると思います。また、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドという元々アングロサクソンの国だったところが、情報のところで、『ファイブ・アイズ』という情報交換ができる枠組み、そこにできれば日本も入れてもらって、『シックス・アイズ』にしていきたいと思っています。さらにNATOともしっかり連携をしていくと。フランスは南太平洋にフランス領ポリネシア、ニューカレドニアという領土を持っていますから、フランスは自らを太平洋国家だと言っています。イギリスはTPPに参加表明をしているぐらいで、今、イギリス、フランスそしてドイツも海軍を太平洋に送ってきた。イタリアもおそらく近々海軍を太平洋に送ってくる。そういうことを考えると、NATO諸国とも安全保障の面で緊密に連携をしていけるのではないかと思います。これからは民主主義、あるいは法の支配、基本的人権という共通の価値観をを共有する国々と一緒に共通の価値観を守るために手を組んでいくということが必要になってくるのではないかなと。特にウクライナ侵攻を見てみると、何かあった時にみんなで一緒に動けるというのがすごく大事になってくる」