「北方領土」問題…プーチン大統領と「もう話はできない」

ーー経済制裁といいますと、日本も痛みを伴うということになると思うのですが、日本の話で言いますと、北方領土は今後どうなっていくのでしょうか?
「安倍晋三総理の時代にプーチン大統領との間で平和条約の交渉を加速化するという合意が行われました。当然、平和条約の交渉の中には北方領土の問題についても解決をしなければなりません。私も交渉の担当としてラブロフ外務大臣と交渉してまいりましたが、今回のこの事態で、その流れは一度終わったと言わざるを得ないと思います。今後プーチン大統領と北方領土の交渉というのは、おそらくできない、ポストプーチンの中で状況が整えば、もう1回平和条約について仕切り直しで交渉を始めるということになろうかと」
ーーロシアの中での体制変化が起こらなければ、仕切り直しはできないという認識ですか?
「現状でウクライナの状況というのは、かなり長く続いていくと思います。おそらくウクライナの状況が変わるということは、おそらくプーチン大統領が変わる、それによってロシアの政策が変わる。そして北方領土を含めた平和条約の交渉ができる状況が整ってくるということになるのではないかと思います」
「いつかロシアをG7に戻したいと思っていた」

ーーロシアというと、河野さんは外務大臣時代の2011年にロシアのタス通信のインタビューにお答えになっています。河野さん自身は「私自身も日ロの将来に対して大きな思い入れがあります」とお答えになっています。日本とロシアとの将来も含めて関係をどのように思い描いていますか?
「私は外務大臣の時に、日ロの関係を良くして、むしろこのG7にいつかロシアが戻ってきてG8に戻せるようにしたらいいのではないかということをG7の外務大臣会合でも申し上げて、当時イギリスの外務大臣だったボリス・ジョンソンさんは『おいおいとんでもないことを言うな』みたいなやりとりになったことを覚えています。何とかロシアを我々の側にとずっと思ってきましたが、残念ながら今回のウクライナ侵攻で、プーチン大統領の下ではそういうことはないのだということがはっきりしたのだと思います。そこは非常に残念に思っています」