■実際に自分ができる行動を
今回吹田市の学校で行われたのは、「セカンドチェンジ」の行動を変える授業だ。子どもたちにとって、よりリアルで身近なシチュエーションを提示することで、自分ができる行動をイメージさせる。
先生:
今日のシナリオを読んでいきます。
“休み時間、あなたはドッジボールをしていました。
あなたはドッジボールが得意ではないので、うまくボールをよけられず、Aさんと体がぶつかってしまいました。
その時ボールがAさんに当たってしまいます。
Aさんは「へたくそ、お前のせいで俺が当たってしまったじゃないか」とあなたを責めました。
次の日から、Aさんは教室であなたを悪くいうようになりました。
あなたが「何でそういうことをいうの?」と聞いたら、
Aさんは「ドッジの時のことが理由だ」といいます。
あなたが「ごめんね」といっても許してくれません。
他の友達に相談したところ、「Aさんが許してくれないなら仕方がない」と、いわれてしまいました。あなたならどうしますか?”
もし皆さんが「あなた(被害者)」だったら、あるいは「傍観者」だったら、どんな行動ができますか?

女子児童:
(被害者だったら)自分が傷ついていることと、やめて欲しいってことをAさんに言うかな。
男子児童:
(傍観者だったら)一緒にどうしたらいいかを考えてあげるのがいいかなって思う。あと(被害者の)相談を聞いてあげるとかかな。
女子児童:
でも、もしかしたら、Aさんともっと仲が悪くなってしまうかもしれないから、やっぱり先生とかに言ってもいいかな。
グループディスカッションでは、直接相手に思いを伝えると答えた児童や、関係悪化を懸念して先生に相談すると答えた児童など、様々な回答が飛び交った。回答に違いがあることは当然で、今回の授業で重要なことは、模範解答のような正解を出し合うのではなく、実際に自分ができる行動を考えて、実行に移すことにある。