■いじめの予防授業を振り返って

ーー授業で大事だと思ったことは何ですか?

男子児童:
自分が「傍観者」の時でも、行動を起こすことはできるんだと学んだ。だからいじめかも知れない状況を見つけたらすぐ行動できるようにしたいなと思っています。気楽になれるような言葉とか、被害者の立場にたって考えてあげるとかができたらいいなと思っています。

ーー今日の授業を振り返ってどうですか?

いじめ予防授業を行った教諭:
2020年からトリプルチェンジの授業をやってきて、知識として覚えている子は増えてきたが、「実際に行動できたか?」と聞くと半分の子どもしか手が挙がらなかった。今回は、なんでできなかったのかを考えさせることに重きを置いた。考えるだけでなく「行動を変える」ことにつなげていきたいです。

ーー学校の雰囲気に変化はありますか?

いじめ予防授業を行った教諭:
雰囲気的なところは、去年から比べると優しい言葉がけをしてくれる子が増えたなと思います。困っている子がいたら助けようとしたり、大丈夫だよって温かい言葉をかけたりする子どもが増えました。

■いじめ問題って結局「大人問題」

和久田さんは「いじめ」とは学校や教師だけが向き合う問題ではないと話す。

和久田さん:
「いじめの加害者には“モデルがいる”」と言われています。子どもはいじめ加害行動をどこかで学ぶんです。子どもの周りにいる大人たちは「子どもに見られている」っていうことです。やっぱり僕はいろいろ研究をしていくと、いじめ問題って結局「大人の問題」ではないかと思うんです。大人たちの世界で、ハラスメントやDVがなくなっていけば、子どもたちも、こうやって解決すればいいんだって、こんな風に人を大事にしなきゃいけないんだって学ぶことができる。大人たち自身が変わることが一つ、大事なことだと思います。

子どもたちは大人の言動を見て学ぶ。「いじめ」について知らなければいけないのは、子ども以上に大人なのかもしれない。


▼公益社団法人子どもの発達科学研究所:
静岡県浜松市に拠点を置き、科学的な根拠に基づいた「子どもの発達と環境」に関する支援プログラムの普及と啓発活動を行っている。研究所では、いじめと学校風土の関連を可視化する「学校風土いじめ調査」、いじめ予防プログラム「トリプルチェンジ」等を開発。全国の多くの学校を対象に、エビデンスに基づく実践的ないじめ予防と効果的な介入ができるよう支援を続けている。