繁殖農家で特別に育てられた牛 “ザッくん”
ザッくんは生まれつき目が見えません。足にも障がいがあります。
通常、商品にならない牛は処分されますが、牛飼いの大石恵子さん(48)はザッくんの生命力にひかれ、育て続けています。
サラリーマンと結婚したはずの恵子さんは「よもや牛を育てることになるなんて…想像すらしていなかった」といいます。
夫の大石啓介さん(45)は会社員を辞め、“繁殖農家の2代目”として、故郷、鷹島に戻ってきました。
大石家の末っ子の煌太郎くん(11)は鷹島小学校の5年生。夢は料理人です。
夏休みのお手伝いで、煌太郎くんの気持ちに“ある変化”が生まれました。
大石家にザッくんが教えてくれたこととは…。
「頑張れ、頑張れ」出産は命がけ

牛舎の中で、啓介さんと恵子さんが母牛から赤ちゃん牛を取り上げます。

啓介さん:「よしよしよしよし」
恵子さん:「頑張れ、頑張れ」

母牛は立ちあがり、産んだばかりの赤ちゃん牛を舐めました。
啓介さん:「よし。大丈夫、まずは、まずはですね。でも(この牛は)お産はじめてやけん…。子牛に向かう、攻撃する親とかもおるけんですね」
母牛が舐めればもう安心です。
牛飼い二代目の父、啓介さん。

最初は牛が怖かった母、恵子さん。

そして、料理人を夢見る息子、煌太郎くんは、牛と生きる“あったか家族”です。