「お〜いお茶新俳句大賞」は類似作品防ぐ検証作業を実施
川柳同様少ない文字数で作品を構成するのが俳句だ。
俳句の賞・コンテストの中で応募作品数日本一を誇るのが「伊藤園お〜いお茶新俳句大賞」。最優秀賞の文部科学大臣賞をはじめ、入賞1000作品が「お〜いお茶」の商品パッケージに掲載されることが、多数の作品を集めている理由だ。賞の審査員にはテレビ番組などでおなじみの俳人・夏井いつきさんも名を連ねている。
第37回は現在審査が行われており(10月下旬に受賞作品の発表予定)、作品募集自体は2月末に終了しているが、その募集要項には注意事項として「応募作品は本人が創作した未発表のものに限ります。必ずご本人がご記入・ご入力ください」と書かれている。
生成AIを利用した作品への対応について事務局に尋ねると、次のように答えた。
「現時点におきましては、応募規定に記載の通り『本人が創作した未発表の作品』に限定しております。本規定における『本人創作』とは、生成AIに限らず第三者的な手段による創作を含まないものと定義しており、生成AI等を用いて制作された作品は応募規定の対象外としております。受賞後において当該事実が判明した場合には、応募規定に基づき対象外として対応いたします」
ただ、「伊藤園お〜いお茶新俳句大賞」は、募集に対して毎回180万から190万もの句が寄せられる。仮に生成AIが使われていた場合、見分けることができるのだろうか。
事務局では「既存作品との類似を防ぐことが課題」として、「生成AIの利用の有無に限らず、二重投稿や既出作品との類似や重複が認められる場合、応募規定に基づき対象外」になると説明。類似を防ぐために検証を行なっていることを明かした。
その検証とは「約76万句の俳句データベースとの照合」と、「インターネット上での類似検索」、それに「他の俳句大会・団体との連携」。かなりの労力を費やしていることがわかる。
ただ、それでも「現時点においては生成AIによる作品か否かを技術的に完全に判別することは難しい状況」にあるという。
そして今後(第38回以降)の生成AI俳句の取り扱いについて事務局は、「審査員をはじめ、俳句団体等のご意見も頂戴しつつ検討していきたいと考えております」と話す。
禁止?共存? 揺れる主催者
限られた文字数で表現する日本独自の文化である俳句や川柳。日々進化するAIは人間に匹敵する作品を続々と生み出しつつあり、賞やコンテストの主催者たちは、AIを禁止するのか、それとも共存の道を探るのか、その対応に頭を悩ませているのが現状のようだ。
ただ、こうしたAIをめぐる人間の“悲哀”は、ますます川柳の恰好のネタになってゆくだろう。
サラ川を主催する第一生命は、「次回の募集においても、AIが日々の生活に浸透していく様子を捉えた句が多く寄せられることを期待しております」と、さらに面白い句が生まれることを期待している。
「調査情報デジタル」編集部(田中圭太郎)
【調査情報デジタル】
1958年創刊のTBSの情報誌「調査情報」を引き継いだデジタル版のWebマガジン(TBSメディア総研発行)。テレビ、メディア等に関する多彩な論考と情報を掲載。原則、毎週土曜日午前中に2本程度の記事を公開・配信している。














