黒田が発揮する“本番の強さ”とは?
練習が不十分でも試合で力を発揮できる選手が、一定数存在する。今の黒田も間違いなくそんな選手の1人。今季の青学大は10月の出雲全日本大学選抜駅伝が7位、11月の全日本大学駅伝は3位。チーム全体のピーキングは、3連勝した箱根駅伝ほどできていなかった。そのなかで黒田は出雲は6区(10.2km)区間賞を、全日本は7区(17.6km)区間賞を、区間2位に大差を付けて獲得した。
別大マラソン前日の記者会見では「この1か月はスタートラインに立てるように、疲労と戦ってきました。今はコンディション不良に近い状態」とまでコメントした。それでも結果を出せるのは「本番での強さ」だと原監督は言う。
「6割くらいの状態ですが、6割全部を出して2時間7分台まで出した。今の状態なら100点満点」
練習が不十分な状態で、どうして現時点の100%を出せるのか。黒田はレース後の会見で次のように話した。
「力を出せた要因はこれまでの経験かな、と思っています。大学では大きく外したレースがなく、試合への持って行き方の経験が、今回にも生きたのでしょう。その部分は試合の距離が伸びたとか、短かったとかで変わるわけではないと思います。今回のマラソンに向けても同じように、レースに向かって行く中で自分の強みが出たのかな。そういうものだと思います」
黒田はマラソン練習に“特化”していないが、青学大の練習全体がマラソンにつながる練習体系になっている。「マラソンに特化した練習はしていませんが、1年を通して距離走を中心に練習しているので、マラソンに対応できるスタミナは付いています」。
留意すべきはその練習でも、青学大は駅伝のスピードに対応し、10000mでも上位10人平均タイムが28分ヒト桁台と、今年の箱根駅伝参加校中2番目のスピードを誇るチームになっている。箱根駅伝に優勝するスピードと、マラソンに対応するスタミナ。両立しにくい2つの要素を、青学大では年間を通して養成しているのだ。

















