米・露・中「大国パワーによる世界統治」

さらに、25年末に始まった経済悪化に対する抗議デモが反政府デモへと拡大しているイランへの軍事介入もちらつかせ、力ずくで「アメリカ第一」をますます鮮明にするトランプ政権。

共同通信で米・ワシントンやイランの特派員を務め、アメリカ政治を知り尽くす杉田弘毅さんは、ベネズエラ攻撃の背景には、「アメリカの強大なパワー発揮を長らく制限してきた枠組み」への苛立ちがあると指摘する。

『共同通信』客員論説委員 杉田弘毅さん:
「要するに国際的な規範や国際法、国連の縛りがあるために、“アメリカが本来持ってるパワーを発揮できてこなかった”と。アメリカのパワーを削ぐ形で国際機関がアメリカをがんじがらめに縛りつけていたという発想がトランプ氏とその周辺にある。それをかなぐり捨ててアメリカは本来すごいんだということを世界に発揮して、“影響圏”さらに言うと一番重要な“資源”を取りにきた感じがする」

トランプ政権は「力による支配」で世界地図をどう書き換えようとしているのかー

杉田さん:
「今回も<ドンロー・ドクトリン>とか言っているが、中国やロシアの進出を止めると。あるいはもう既に進出しているわけだが、それを排除していく形で、まず“影響圏拡大の第一歩を中南米に広げていく”」

そして、グリーンランドにも“ベネズエラと共通する利害”があると話す。

杉田さん:
「当然グリーンランドにあるレアアースなどいろんな資源を、独占的にアメリカ企業がビジネスできるような形での何らかの協定を結んでいくことを考えている。この開発が世界にとって非常に重要な意味を持つので、グリーンランドおよび北極海へのアメリカの支配力を強めていくために、中国とロシアの影響を排除していく」

――トランプ氏の描く世界は、いくつかの大国が自分たちの影響圏を作っていくということか

杉田さん:

「まずは中南米に影響圏を作って、その間恐らくユーラシア大陸の中心部と東ヨーロッパに関してはロシアの影響圏をある意味認めていく。東アジア地域においては日本とオーストラリアがあるので、中国に全てを差し出しているわけではないと思うが、台湾は中国による併合も認めていくことを考えていると思う。一つはアメリカの影響圏をしっかりと確保できるということと、大国パワーによる世界統治を実現することによって、世界が安定するという考え方だと思う」