嘆願書を急げ 時機を失っては何にもならず
しかし、判決を目前にしてトメが夫の死をいつまでも嘆いていられる状況ではなかった。金井弁護士は、幕田の同級生である辰野氏と連絡をとり、署名を集めてもらっていた。
<金井弁護士からトメ宛のはがき>1948年2月23日
稔様の件、努力の限りを尽くしていますが、色々の理由で判決は非常に重いと覚悟せねばならぬので、最後の手として至急に嘆願書を出すことになったので、今週中に提出せねばなりません。辰野君の方で在京の人達の署名を集めてもらっていますが、出来ただけで二十七日には打切るつもりでおります。巧遅くよりも拙速がこの場合の適当手段で、時機を失しては何にもなりません。今回は私と在京の同級生の人達に一応おまかせ下さい。期日がせまっていますから。
















