もし上官の命令が間違っていた場合は

石垣島警備隊司令 井上乙彦大佐

捕らえた米兵は「捕虜」となるので、捕虜を殺害すれば、捕虜の扱いを定めた国際法の「ジュネーブ条約」に違反することになる。日本はジュネーブ条約を「批准」はしていなかったが、他国で捕虜となっている自国民のことを考えて「準用」していた。日本軍では「命令への服従は絶対」であったが、戦犯裁判では、不法な命令に従った場合の責任の所在も焦点の一つだった。

<公判概要 1948年1月30日(金)>
(委員会の尋問に対する幕田の答弁要旨)
幕田:石垣島警備隊では、階級の上では、私は井上乙彦司令の次であったが、職務の上では司令の次は副長で、自分は司令に直属して特攻隊のことしかやっていなかった。日本海軍では指揮官が間違ったことをしている事がわかったとき、部下の士官は意見を述べる権利はあるが、義務はないと考える。かつ命令前なら意見具申は出来るが、命令後は出来ぬ。