初めての海外公式訪問 陛下のレクチャーも

そして11月下旬には、初の海外公務となるラオス訪問。トンルン国家主席を表敬訪問したほか、国家副主席や首相らともそれぞれ面会。不発弾の被害を伝える資料館や、日本が支援する小児病院なども訪ねられた。

愛子さまは、訪問前はもちろん、出発後も並々ならぬ熱意を見せられていた。随行員が「訪問を絶対に成功させたいという心持ちを感じた」というほど、飛行機や鉄道内では熱心に資料を読み込まれていた。とくにラオス国内の鉄道は、始発より早い早朝の臨時便で、(記者のスケジュールから計算すると)遅くとも朝5時台より早く起きていたはずだが、仮眠をとる間も惜しんで資料にあたられていたのだ。近くに座った側近は「マーカーで資料に線を引く音がずっと聞こえていた」と話す。

初めての海外スピーチ。1回目は、目の前の記者団にも緊張している様子が伝わった。また、思いが溢れてたくさんの内容を用意したからだろうか、終わった直後「(文量が)長すぎました」と側近に苦笑いされたという。そうした気づきを受け、2回目のルアンパバーンでのスピーチは文量を調整し、非常に落ち着いた様子で話された。

ラオスには、2012年に父・天皇陛下(当時皇太子)も訪問されている。愛子さまの訪問前、陛下は保管していた資料や写真を出し、ラオスの食や歴史に関する話を愛子さまに熱心に伝えるなど、親子間でもレクチャーがあったという。

ラオス語の大学教授が御所に説明に上がったときも、もともと愛子さまだけで受けられる予定だったのが、「両陛下も一緒に出席」という形に変更になった。強い“親心”がうかがえる。

今年、12月1日の誕生日当日に公開された映像内で、愛子さまは書籍『ラオス料理を作る、知る』のページをめくられている。この本はなんと、陛下自ら購入して愛子さまに贈られたものだという。日本で発売された唯一のラオス料理本だそうだ。

1年を象徴する「誕生日映像」に愛子さまがこのシーンを選ばれたのは、ラオスや家族への強い思い入れからだろう。

現地の晩さん会は、通常通り、撮影を許可されたのは「乾杯の場面」まで。その後の会話内容について、随行員らへの取材によると、愛子さまは国会副主席らに対し、「父から『もち米が印象に残っている』という話を聞きました」「事前に聞いていたものを食べられて嬉しいです」と陛下からの話を嬉しそうにされたのだとか。また、もち米のほか、メコン川沿岸の名産「川海苔」などを口にして、とても喜ばれていたという。

帰国後、12月中旬に撮影された愛子さまの手元写真。ラオス訪問2日目に、伝統的な儀式「バーシー」で、幸せと旅の安全などを願って左手首に糸を巻かれた。帰国後は取れても問題ないというが、その後、日本国内でのさまざまな行事でも左手に「バーシー」の糸が見えた。巻いてから1か月経つ今もまだ大切にされている。