劇的J2残留の光と影「めでたくない」心境
橋本アナ
「いまのお気持ちとしては改めてどうですか?」
カターレ富山 左伴繁雄社長
「いやぁ行く先、行く先でさ「おめでとうございます」って言われるところから、ちょっと引っかかっててさ。残留がめでたいかって言ったら、めでたい話じゃないからね。あそこまで追いこんじゃったっていうのは、多少僕の責任も。チームだけじゃなくてね、考え方のところでちょっと甘く見てたところがあったんで…。チームはよく残留決めてくれたっていうところでほっとしてますけどね」
橋本アナ
「見立てが甘かった?」
カターレ富山 左伴繁雄社長
「去年のね、J2に復帰した最終戦でも、なんか僕浮かない顔してて、ずっと考え込んでたんですよね。絶対にJ2は甘くないところで、今と同じような戦い方をしてたらまずいなっていうのは思ってました。過去3回降格したことがあってね、2回は1年で戻してるんですけど、それと同じような状況だったんで。まずサッカーをJ2で戦えるっていうよりも、”J1で戦えるサッカー”に変えるとなると、少しいじらなきゃいけなかったんですよね。それを普通だったら、もう1回J2で1年終わったとこで、シーズン末にいじるのが定石なんですけど、もう早く変えとかないと、馴染むのに時間がかかるんだろうなと思ってたその「時間」が、16、7試合終わったところで、残り20試合以上あればなんとかなるなと思ったら、なんとかならなかったんですよね。それがね、ちょっと見立て甘くて。来てもらった安達(監督)には申し訳ないなと思ったんですけど、最後の3試合ぐらいですかね。『これこれ、これだよ』っていうのがね。それで勝てるようになった。そこの見立てが甘かったのと、あとJ2に上がったんで、少しはいい選手取れるだろうと。来てくれた選手はとってもいい選手なんだけど、まだ取り足りてなかった。やっぱり『J3で昇格を狙ってるクラブに行きたいっていうJ2の選手はいっぱいいる』んですけど、『J2に上がって落ちるかもしれないクラブにJ1の選手はほぼ来てくれない』なと。これがね、過去上がったときに補強した湘南や清水でやったときと、カターレとでは話が全然違っていて、振られまくったっていうのは大誤算ですね』

橋本アナ
「それはもともとのクラブの力だったり背景っていうのが大きいんですか?」
カターレ富山 左伴繁雄社長
「…詰まるところはね。そういうことになると思うんです。やっぱクラブのブランド力っていうのがまだJ2に上がったばっかりで、得体の知れない、どうなるかわからないクラブ。地元の熱心に応援してくれてる方々は、「11年ぶりにJ2に戻った、さあこれからだ」っていうことなんですけど、業界は割と冷めてて。「まだわからんな」って。会社の年商なんかも、地元の方々は僕が来る前5億円前後だったのに、もう軽く10億円飛び越してね。トップラインだけだったらJ1狙ってもおかしくないんじゃないっていうところまで、きてはいるんですけども。だからといって他のJ2のクラブ、そんなクラブはもう五万といるわけで、20クラブ中10位より下なんですよね、まだね。そういう、現実をもっと冷静に見極めるっていうことが必要だったと思いますね」















