「水素の貯蔵」独自技術で安全・低コスト

グリーン水素普及のカギとなる「貯蔵技術」も進んでいる。

『清水建設』のイノベーション拠点「NOVARE(ノバーレ)」(江東区)に導入されているのが、自社の独自技術を盛り込んだ【水素吸蔵合金タンク】だ。

水素吸蔵合金は、温度を上げ下げすることで水素を吸わせたり取り出すことができる特殊な合金で、細かく砕いたものがタンクの中に詰められている。

『清水建設 NOVARE』北川遼さん:
「産業技術総合研究所と開発したオリジナルの吸蔵合金。1つの特徴として“水素を吸った状態で火をつけても燃えない”特性を有している」

火を近づけても燃えないため取扱いに特別な資格は必要なく、安全性の面で導入のハードルを大幅に下げると期待されている。

さらに、主成分は「鉄」と「チタン」で、“レアアースを使っていない”のも特徴で、「従来のものよりもコストを下げて提供できるようになる」(北川さん)

また、清水建設は「製造」「貯蔵」燃料電池による「発電」を1つにまとめたグリーン水素エネルギー利用システム【Hydro Q-BiC(ハイドロキュービック)】も開発。
大阪・関西万博の水素サプライチェーンモデルとして採用された。

北川さん:
「ハイドロキュービックの研究開発が2040年の普及を見据えてスタートしたプロジェクトだったが、想定よりも実はかなり早く来ているので2030年とかに向けて今動き出さないといけない」