日本は2050年までに二酸化炭素などの温室効果ガスの排出を実質ゼロにするカーボンニュートラルを目指している。こうした中、脱炭素社会の実現の切り札との期待がかかる「グリーン水素」の活用が自治体や企業で進んでいる。

太陽光「余った電力」で「グリーン水素」

山梨県甲府市の中心部から車で30分ほどの距離にある米倉山(こめくらやま)。

山の斜面には約8万枚の太陽光パネルが設置され、山梨県と東京電力が共同事業をおこなうメガソーラー発電所になっている。

発電所では年間約1200万kWhを発電。
これまで電力需要を超えて発電した分は無駄になっていたが、その余剰電力を使って2021年から【グリーン水素】の製造が始まった。

グリーン水素とは、太陽光や風力といった再生可能エネルギーを使って水を電気分解して製造される水素のこと。

使用する時だけでなく、製造する時も温室効果ガスを排出しないクリーンなエネルギーで「脱炭素社会」実現の切り札として期待されている。

山梨県企業局・渡邊憲明さん:
「水素をどう送るかといった技術開発、あとは燃料電池。ここで開発されたものが県内企業等にも影響が広がって、県内経済の発展にもつながってもらえれば」

山梨県は、グリーン水素を活用した燃料電池を載せた電動アシスト自転車の実証実験を行うなどグリーン水素の普及や社会実装に力を入れていて、販売事業もスタートさせている。