富山県黒部市では、コーヒーを淹れた後のかすを、台所の排水管に流すことを市民に呼びかけている。その理由は、国内で唯一導入している下水汚泥のバイオマス発電とリサイクルの仕組みにあった。「シリーズSDGsの実践者たち」の 第49回。
コーヒーかすを下水に流すだけでSDGsに貢献
コーヒーメーカーやドリップバッグでコーヒーを淹れている人は、コーヒーかすを可燃ゴミに出すことが一般的だろう。ところが、富山県黒部市ではコーヒーかすをそのまま下水に流すように呼びかけている。
その方法は、シンクの排水かごを外して、ペーパーフィルターからコーヒーかすを出して、水と一緒に流すだけ。
コーヒーかすを下水に流すことを奨励している自治体は、全国で黒部市しかない。その理由を黒部市上下水道工務課の柳田英昭さんが説明する。
「コーヒーかすはそのまま流しても大丈夫だということと、コーヒーかすを流すだけでSDGsに貢献できることを市民にPRしています。その理由の一つは、可燃ごみを減らせること。もう一つは、コーヒーかすを活用してバイオマス発電ができることです。黒部市では全国の自治体で唯一、環境循環型の下水道バイオマスエネルギー利活用施設を所有していて、コーヒーかすを活用したバイオマス発電や下水汚泥のリサイクルを行っています」














