「二酸化炭素が通常の63倍」3I/ATLASの特徴

ウェッブ宇宙望遠鏡などによる観測から、「3I/ATLAS」は、太陽系の彗星とは極めて異なる化学組成を持っていることが判明しています。

NASA/James Webb Space Telescope ウェッブ宇宙望遠鏡の観測画像

ウェッブ宇宙望遠鏡の近赤外線観測画像では、中央の画像は二酸化炭素、右の画像は水蒸気の放出を示しています。

3I/ATLASは、太陽に近づくにつれ加熱され、二酸化炭素、水、水の氷、一酸化炭素などを放出しています。

ベルギーの王立宇宙航空研究所などとアメリカの研究チームは、この放出されたガスのうち、水に対する二酸化炭素の比率が、「一般的な太陽系の彗星と比べて約63倍も高い」ことを突き止めました。

宇宙空間を進む「3I/ATLAS」

なぜ、この「3I/ATLAS」には、これほどまでに二酸化炭素が多いのでしょうか?

アメリカとベルギーの研究チームは、この謎を解くカギが「宇宙空間での数十億年にわたる長旅」にあると考えました。