静岡県下田市の松木市長は、市役所の開庁時間を午後4時までに短縮することを検討していると明らかにしました。静岡県内では前例がない対応で、背景にあるのは市の厳しい財政状況です。

<下田市 松木正一郎市長>
「開庁時間を短縮するというのは、下田市が珍しいわけではなくて、実は全国ではかなり進んでいるんです」

静岡県下田市の松木正一郎市長は10月28日の定例会見で、市役所の開庁時間の短縮を検討していることを明らかにしました。

現在の開庁時間は午前8時半から午後5時15分までですが、これを午前9時から午後4時に縮めることを想定しています。

職員の所定労働時間は変わりませんが、窓口の対応時間を減らすことで残業代などの人件費を抑えたい狙いです。

<松木市長>
「開庁時間を圧縮することについて、他県とか、いろんなところで先行事例がある。そういったところを調べますと、打ち合わせ時間がこれによってしっかり確保できて、かつ、職員がしっかり帰れるようになるので、効率が上がると。作業能率も上がる」

茨城県つくば市や滋賀県彦根市など、開庁時間を短縮している自治体もありますが、静岡県内では例がないということです。

<下田市民>
「(開庁時間は)本当は長い方がいいんだけど、しょうがないですね。(職員に)頑張ってほしいけど、無理もあんまり言えませんしねえ」

短縮の背景にあるのは市の厳しい財政状況です。下田市では、市庁舎移転などの大規模事業が続き、市の財源不足を補う財政調整基金は2025年度、前年度の半分近くの4億9000万円まで減少。2028年度にも底をつく可能性があるといいます。

市は今後、短縮した開庁時間の実証実験を行い、市民の意見を聞いた上で、判断する方針です。