「持続可能な万博」を評価するためには検証が必要
大阪・関西万博では、出展したパビリオンはSDGsが掲げる17の目標のうち、1つ以上の目標を展示に盛り込むなど、参加した国や企業、団体からSDGsに関する様々なメッセージが発せられた。ただ、SDGsへの取り組みには、閉幕後の対応も重要だ。

「EXPO2025グリーンビジョン」では、施設を解体することなどによって生じる廃棄物について、98.1%をリサイクルするという高い目標を掲げている。
また、リユースが可能な施設や建材、設備機器、什器などについては、売却するためのマッチングサイトが開設されている。施設については一部のパビリオンなどについて入札が行なわれているほか、解体した建材についても購入できる。また、什器や備品については今後民間企業や個人向けにも公募が行われる予定だ。
一方で、万博の象徴だった1周2キロの大屋根リングについては、どれだけ残して、どれだけリユースするのかについての議論が現在も続いている。協会が10月7日に開催した臨時理事会では、北東側の約200メートルは会場跡地に残す一方、当初は残す可能性があるとしてリユースの対象から外していた南西側の350メートルについても公募するかどうかが検討されている。

万博ではSDGsの取り組みについて高い目標を掲げ、多くの参加者が発信もしてきた。ただ、「持続可能な万博」が実現できたのかを評価するには、目標の達成状況も含めた検証を待たなければならないだろう。
(「調査情報デジタル」編集部)
【調査情報デジタル】
1958年創刊のTBSの情報誌「調査情報」を引き継いだデジタル版のWebマガジン(TBSメディア総研発行)。テレビ、メディア等に関する多彩な論考と情報を掲載。原則、毎週土曜日午前中に2本程度の記事を公開・配信している。














