メリットなくても一番重要なのは総理指名選挙 まずは「高市政権」をスタートさせたい

高柳キャスター:
20日午後3時頃、維新の藤田共同代表の話では、「閣外協力というかたちで一段落としていつでも逃げられるようにということをご指摘いただく方もいらっしゃいますが、私にはそういう気持ちは寸分たりともありません」と発言しています。

岩田政治部長:
当然こうした指摘はされますが、藤田共同代表としては「いや、そんなことはない。自分たちは閣外だけれども、一生懸命に高市政権と一緒にやっていくんだ」ということを改めて表明しているわけです。

井上貴博キャスター:
確かに維新の立場から考えると、1足飛びに連立にして維新がなくなるというリスクを考えると、「閣外」という慎重な選択をしたのだと思いますが、政策ごとに閣僚は送り込みません。政策ごとに話を進めていきたい。これは国民民主党もやりたかったことではないですか。

岩田政治部長:
高市氏の側からすれば閣外協力によって自民党にメリットがなくても、一番重要な総理指名選挙でより多くの方に名前を書いてもらって、1回で過半数を超えたい。1回目で超えられなかったとしても決選投票で堂々と勝ちたい。そして「自民党高市政権」を順調にスタートさせたいということです。今回の合意によって維新が高市氏の名前を書くと明言していますので、そこから高市氏としては政権をスタートさせていきたい。

逆に高市氏の名前を書いた維新の方も、高市政権が行っていくことに相当程度の責任が生じますし、関与する義務も生じてきます。

そのため、政策ごとに協力することに関してだいぶ踏み込んで一緒にやっていこうとなるわけです。そういった意味では連立政権と呼べるのではないでしょうか。

肉乃小路ニクヨさん:
維新はもともと自民党の会派から出て政党になったところなので、親和性はあると思います。ただ、国民は望んでいないような気がして、連立に関しては非常に唐突な感じがしています。

数的には総理大臣というのはできるのかもしれないですが、参院選でもそういったところは争点になっていたかなど、いろいろなことを考えると数合わせ的な要素が強い連立なのかなと思ってしまいます。

岩田部長:
吉村代表は「議員定数の削減が絶対条件だ」と話をしたわけですけれども、ただそれが本当に国民が求めていることなのか。参議院選挙でそれが問われていたのかというと、必ずしもそういうところもないわけです。

やっぱり物価高対策どうするのか、そのあたりを一生懸命まず取り組んでほしいということだったと思いますので。

肉乃小路ニクヨさん:
維新はどちらかというと社会保険料の削減などをメインに推していたところなので、民意的に重要視してほしい減税やインフレの対策など、連立政権でしっかりと手をつけていただけるのかどうかというのは見ていきたいなと思います。

井上キャスター:
元々第3局で期待していて、しがらみのない政治を求めていた維新が一番しがらみの真ん中にいる自民党とくっつくんだと感じる方が多いと思いますね。