出身校の先輩後輩ということなら、大森と松田も大阪・薫英女学院高で1学年違いだった。後輩の松田が高校を卒業して先にダイハツに入社し、10000m、マラソンと日本代表入り。競技力では先行し、大森はケガも多く伸び悩んだ。しかしこの2~3年は大森も充実してきた。2人の関係性が成熟してきたのか、山中監督の目には「2人とも大人になった」と映っている。

「30歳を超えてお互い頑張ってきたこと、苦しんできたことが、戦友のようにわかるのだ
と思います。若い選手たちも増えて、前田彩里(33)も含めた3人で、色んな気遣いができるようになってきました」。

大森がダイハツの3区を走るのは初めてだが、もう1つの長距離区間の5区は一度だけ走ったことがある。18年のクイーンズ駅伝で3区を松田、5区を大森が担った。松田は区間7位でもチームを4位へと1つ上げ、大森は区間3位で6位に落ちていたチームを3位に浮上させた。松田に不安があるとはいえ、2人がプリンセス駅伝の長距離区間を走ることで、当時とは違った力を発揮する可能性がある。

大森と村松、大森と松田。2組の先輩後輩が“駅伝の力”を発揮すれば、ダイハツはピンチを軽々と乗り越えられる。

(TEXT by 寺田辰朗 /フリーライター)
※写真は昨年のクイーンズ駅伝