“音楽の街”浜松市に本社を置く楽器メーカー・ヤマハには「日本一」の吹奏楽団がある。全国コンクールで何度も金賞に輝いた吹奏楽団。国内屈指のアマチュアバンドには、「野球応援バンド」というもうひとつの顔があることをご存じだろうか。

「部品成型」「組み立て」「はんだ付け」「研磨」…
ヤマハ吹奏楽団のホームページの団員紹介ページをみると、メンバーの名前の下には“作業工程”が記されている。楽器演奏に携わる団員70人のうち、約8割が楽器製造の工場に勤務。先ほどの「工程」は、すべて団員の仕事だ。

自分たちが奏でる楽器を自らの手で作る。これがヤマハ吹奏楽団が「匠のバンド」と呼ばれる理由だ。打楽器鍵盤塗装担当の宇江原駿さん(打楽器)は「楽器を作りながら、演奏もする楽団は世界を探してもないと思うので、ヤマハブランドのクオリティーの維持をしっかり意識しながら働いている」と胸を張る。