■維新におびえる立憲民主党
「当時のヒットラーを思い起こす」1月21日、立憲民主党で最高顧問を務める菅直人元総理が、日本維新の会についてこうツイートした。当然、維新側は猛反発し、抗議文を提出すると共に謝罪を要求した。対応に追われることになった立民だが、今回の一連の騒動について、ある党関係者はこう真情を吐露する。
「ツイッターは維新への恐怖感の裏返しだよ」
去年の衆院選で維新が躍進する一方、議席を減らす結果となった立民は野党第一党は維持しているものの夏の参院選を前に、八方ふさがりとも言える状況に苦しんでいる。
■「国民民主+都民ファよりも恐いのは維新」
1月、「国民民主、都民ファと合流視野に協議」との報道が駆け巡った。これは立民の泉代表が国民民主党に対して「兄弟政党」とラブコールを送り、参院選に向けた協力関係を模索していたさなかでの出来事だった。しかし、泉代表の顔を潰されるような事態ではあったが、“国民と都民ファの合流”に対しては、立民内の反応は意外にも冷ややかなものだった。
夏の参院選で改選を迎える議員が解説する。
「国民民主と都民ファがくっつくのは単なる選挙目当て。合流効果はわずかしかない」
「そんなことよりも」と深刻な顔で事情に詳しい党関係者が語る。
「国民民主と都民ファが合流できたとしても、小池さん(都知事)が出てこないと大した話にならない。それより、とにかく維新が恐い」
維新の勢いを前に、国民民主党、都民ファーストの会を気にしている余裕はないというのだ。別の党関係者は「維新は参院選まで勢いを落とさないだろう。比例票はウチと確実に奪い合いになる」と警戒する。
しかし立民は、維新への有効な対応策は見いだせていない。むしろ、維新は月額100万円の文通費や憲法審などの国会対応でも「立民は後ろ向きだ」と批判を強めている。立民をつるし上げることで国民にアピールしようとする維新の動きに苛立ったある幹部は「無視しておけば良い」と吐き捨てた。