安全保障の枠組みどうなる? イギリスがウクライナ支援に積極的なワケ

井上キャスター:
これからの安全保障の枠組みをどうするのかが最大のポイントだと思います。

枠組みはどういうものになるのか、イギリスではどのように報道されていますか。

JNNロンドン支局 城島記者:
イギリスやフランス主導のウクライナ支援に関する有志連合が、ウクライナの安全保障に向けて、停戦後に速やかに国境防衛のために部隊を派遣できるように準備を進めています。

そして、トランプ大統領が「アメリカがウクライナの安全保障に関与する」と明言したことが、今回の会談の成果であると非常に評価されていましたが、トランプ大統領は19日に「ウクライナの国境防衛のためにアメリカ軍を派遣することはない」という考えを示しました。

結局“どの程度の関与なのか”が不透明なため、安全の保障は、まだヨーロッパの肩に大きく乗っていることに変わりない状況です。

出水麻衣キャスター:
アメリカも関与すると言っておきながらスタンスが見えないという点、イギリスではどのように評価されているのでしょうか。

JNNロンドン支局 城島記者:
イギリスは、フィンランドと比べると(ロシアから)地理的にも遠く、国境を接しているわけではないため、脅威がすぐ隣にあるわけではありません。

ではなぜ、イギリスが積極的なウクライナ支援を続けているのかというと…

ヨーロッパの大国としての歴史や責任を担っている部分もありますが、実はイギリス国民の3分の2にあたる66%が、ウクライナのゼレンスキー大統領に好意的な意見を持っているというデータがあります。

また、イギリスとフランスが主導するウクライナ支援について話し合う有志連合の結成を発表した2025年3月には、スターマー首相の支持率が上昇しました。

もちろん、イギリス内にも一時は支援疲れがあり、イギリス国民の意見も一枚岩とは言えませんが、ウクライナを支援することが政権にとってもポジティブな材料となっている側面があります。

井上キャスター:
安全保障の枠組みは大変難しいものだと思います。ゼレンスキー大統領は10日ほどで文書を出せるのではないかと言っているようです。

TBSスペシャルコメンテーター 星さん:
10日ほどで出るのは、おそらく“メモランダム”のような、「こういうことを話した」というものではないでしょうか。

安全保障については、おそらく平和維持部隊のようなものになると思いますので、これから大変な議論があるでしょう。

深く、具体化しすぎるとプーチン大統領が反対しますし、ふわっとしていると実行力がないということになりますので、この辺は非常に難しいと思います。

出水キャスター:
この間も停戦は求めていないわけですから、戦争しながら交渉を続けていくというのも心配なところですね。

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<プロフィール>
城島未来
JNNロンドン支局 特派員
欧州を中心にウクライナやアフリカを取材

星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身 政治記者歴30年