日本経済「3つのシナリオ」

では、今後の日本経済はどうなるのか。熊野さんは3つのシナリオをあげる。

▼楽観シナリオ【確率20%】⇒所得効果(輸出数量増)で日本経済浮上
▼メインシナリオ【確率50%】⇒対米輸出数量減で景気後退に近づく
▼悲観シナリオ⇒景気後退+物価上昇/世界同時不況/日本の政治リスク

――アメリカの景気が落ちて輸出も減少し、日本もだんだん景気が悪くなる。この可能性が50%と一番高い

『第一生命経済研究所』首席エコノミスト 熊野英生さん
「相互関税が15%になり当初よりは負担額が少なくなったので、“ぎりぎり持ちこたえられるのでは”というのをメインシナリオにしているが、不安はたくさんある。アメリカでもインフレが加速する可能性もあり、アメリカの景気が悪くなると日本のマクロの景気にも悪影響が出てくる」

――持ちこたえられる可能性も20%ぐらいあると?

熊野さん

「今の経済データは結構堅調で、マーケットは“いいとこどり”で楽観シナリオの方に振れている。ただ、そんなにうまくいかないだろうというのがエコノミストの見方」

(BS-TBS『Bizスクエア』 2025年8月16日放送より)