トリガー条項凍結解除を目指すとして、2022年度予算案に賛成し、与党に接近する国民民主党。しかし予算案反対を主張し、党内で玉木代表などと一線を画してきたのが、前原誠司代表代行だ。JNNの単独インタビューに応じた前原氏は、トリガー条項をめぐる自公との協議は「野党分断」と断じ、選挙対策委員長として参院選に向け、関係が悪化している立憲民主党・日本維新の会との調整に取り組む考えを示した。

自公国トリガー協議は“野党分断”

--2022年度予算が成立。国民民主は参議院でも賛成した。

野党として予算に賛成するということは、首班指名に賛成することと同じぐらい重い話であり、予算に賛成するということは基本的に政府与党が行う全ての事柄に対する賛意を示すものとして、個人としては割り切れないものがあります。野党の立ち位置として反対すべきであったと私は思っています。

--国民民主が賛成に回った経緯は?

玉木代表から「賛成をしたい」と。その条件はトリガー条項。「これを取りたいので賛成をしたい」という相談は事前に2回ほどありましたけれども、それで賛成をするということは、私としてはありえないと言いました。

--党内では賛成派の方が多かった?

そうですね。「とにかく他の野党と同じ行動を取っていたら埋没する。是々非々で」ということでありましたけれども、やはり私は予算に賛成するということは、今の政府与党に対しての賛意を示すことになるので「それはおかしいだろう」ということは最後まで申し上げました。

--前原氏以外に慎重な意見はあったか?

私が知ってる限り、参議院ですけれども、3名、いや4名は反対の意見をおっしゃっていました。

やはり参議院選挙に対する悪影響。今回、与党が国民民主党の話を聞こうということで、3党の政策担当者の協議を始めたということは、これは野党分断ですよね。参院選に向けての。だから参院選が終わったら、よほどこちらがすり寄らない限りは、「はい、終わり」ということになると思いますので、そういった懸念を持っていた方もおられるし。参院選は、他党との協力も必要ですから、そういったものに支障が生じるんじゃないかという心配の意見もありました。あと私と同じように、トリガーだけで賛成するということについては理解が得られないんじゃないかと。