高身長の千さん「零戦」を断念

私たちはそれに合格しまして、私は最初は零戦=戦闘機を希望し、戦闘機は93式の戦闘機ですが、私は背が大きい。当時は1メートル75センチ以上あった。戦闘機に乗るのは165~170センチくらいでないとあかんねん。零戦は素晴らしかった、羨ましかった乗れないのが。それで隊長が、「千学生、君は大きいから大型機にいけよ」と言われて「嫌だ」といったんだけど、徳島の海軍航空隊で大型機に乗りました。

偵察機を改造して戦闘用に改造した「白菊」という素晴らしい戦闘機です。そのころは三菱とか日野とか、みな飛行機つくっていました。ぼくは大型機で白菊を改造して250キロの爆弾を翼の下に積んで、4人乗りのところを、2人乗りにして、操縦員と偵察員だけ。そして電信機1つ、13ミリの機関砲を一発、いやあ苦しかったねえ。ぼくらの訓練は1500メートルくらいの訓練。1500メートル以上は酸素ボンベを使うので、1500メートルまで上がっていろんな訓練を受けました。敵のグラマン、ヘルキャット、これと戦えるだけの実績を積んで。

「君たちは大学出身なんだよ。だからほかのものが1年半かかるところを1年で全部身につけい」とか、「どうせ死にに来たんや、君たちに代わるものはいくらでも出てくるよ。」とか「飛行機は変わりはないぞ、飛行機つぶすな、死ぬな、死ぬな」と。朝から毎日「死ぬな死ぬな、死んでいくところにおまえたちの目的がある」と。まあきつい、これまた地獄ですよ。