「インテリ、すべて捨てろ!」海軍での生活

ちょうどその年に東条内閣から、文系の学生は徴兵検査を受けろと。医学部、理学部、工学部、農学部の学生はよろしい、そのまま大学で勉強しろと。経済学部、法学部、文学部は徴兵検査を受けろと。まあ今と違って大学も少ないですからね。帝国大学、旧制高等学校、いまでいうと高等専門学校ですかねえ。陸軍に言った連中はほとんど帰りません。ロシアで捕虜になったり、南方戦線でビルマで、ほんとに生き残ったのは1人か2人でしょう。
私たちは試験・試験・試験で、海軍飛行予備学生という大学生に与えらえた特権でその試験に合格して、海軍に2万人とられた。2万人のうち2000人が搭乗員で、あとの1.8万人は艦船や通信。私たちは2000人だけ第一選抜で合格して、土浦の海軍航空隊で予備士官の教育を2か月半、あれは厳しかったねえ。大学生が予備士官になるんですから。
「君たちはインテリ。大学から来たがそれをすべて捨てろ!これから帝国海軍の軍人として鍛える」ということで、2か月半の鍛えられ方はすごいですよ。そして試験と適性検査で合格して飛行機乗りになった。それに合格したのはわずか1000名、1000名の中からまた鍛えられて、操縦と偵察、それから最後に地上勤務にまわされたのもいます。