“最も若い証言者”として伝えたいこと

この日、飯田さんは講演を行いました。

飯田國彦さん(83)
「きょう、慰霊式に皆さん参加されましたでしょうか。水を配っていたと思うんですけれども。あれはどういう意味ですか」

大阪から来た女子高校生
「広島の方々が被爆されたときに『水を、水を下さい』というふうに話していた」

飯田國彦さん(83)
「はい、その通りですね」

参加者との対話を大切にしながら、語りかけます。

現在、被爆体験の証言者は飯田さん含めて29人。最も若い証言者となる飯田さんもことしで83歳。限られた時間の中で、一番伝えたいことは―。

飯田國彦さん(83)
「『原爆の実相』をまず見てみましょう。突風は440メートル。これは大型台風の11倍。ハリケーンの5、6倍に相当する強さでした」

「原爆の実相」
自身の体験や生い立ちにとどまらず、より広い視点で原爆による被害の全貌を伝えていきたいとしています。

飯田國彦さん(83)
「本当にあったこと、本当の悲惨さ、真実。実相を伝えると、核兵器廃絶につながるからです。実相を理解し、認めてもらうとね、そういう人は二度と原爆を使おうとかね、原爆を使ったのは正しかったとかね、そういうことは言わないんですよ」