毎年、全国からラグビーを愛する高校生が一堂に会して、合同チームを形成して、かけがえのない仲間との絆を深めるとともに、競技力の向上を図る「KOBELCO CUP」。今年も、長野県上田市のアンダーアーマー菅平サニアパークで「KOBELCO CUP2025」大会が開催されて、8月3日の最終日には、U18、U17、女子の部のそれぞれの王者が決定しました。

<北信越vs関東>固い守備を見せた関東ブロックが逃げ切り初戦を勝利

 U18合同大会は、部員不足のため高校単独としては、15人制大会への出場が難しい学校に所属する選手に対して、「夢と希望」を与え、ラグビーへの情熱を呼び起こして、高校ラグビー全体の盛り上げ、活性化を目的とした大会。全国9地区で構成された、各ブロック代表の中から、8月1日行われた予選リーグをそれぞれ1位で通過した関東、九州、北信越の代表が、優勝を目指して決勝リーグを戦いました。

 U18の部、最初の対戦は、関東ブロックと北信越ブロックの激突。15分ハーフで行われたこの試合、序盤は、予選リーグで近畿と東海を下して勢いに乗る地元の北信越ブロックがペースを握ります。キックオフ直後からキックを上手く使って敵陣深くまで入り込むと、FW陣がじりじりと前進。最後はLO・南部魁士選手(新発田)が中央にトライ。FB・田島翔大選手(鶴来)が、ゴールも決めて7点をリードします。

 一方、予選リーグでは、東北ブロック、北海道ブロックの代表に勝利した関東ブロックも焦らず反撃。直後にライアンアウトからの力強いモールでトライを奪って5点を返すと、10分には、絶妙の角度で走り込んできたNO8・戸井田佑選手(豊島学院)が、一人で30m以上を走りきってトライ。10対7と逆転して前半を折り返します。

 それでも差は3点。後半に入ると北信越は粘り強いディフェンスで関東の攻撃を抑えながら、キックを使って再逆転のチャンスをうかがいます。しかし、しっかりと前に出る関東ブロックの固いディフェンスをなかなか突き破ることができません。最後まで北信越ブロックに反撃を許さず、落ち着いて敵陣で試合を進めた関東ブロックが、そのまま逃げ切ってまずは初戦勝利を飾りました。