「障がいがある子どもたちのみちしるべになれば…」 職場でヘルパー利用できず苦慮

 3月、短大卒業の日。澪音さんの顔は晴れやかでした。

(深田澪音さん)「2月の末に受けたやつが受かって、心置きなく卒業できる」
(友人)「良かったな」

 少し前に滋賀県の教育委員会から、事務職員の内定をもらったのです。

 ヘルパーについては、金銭面の問題から利用せずに働こうと決めました。しかし、勤務中は8時間以上トイレにもいけません。両親は澪音さんの体を心配してヘルパーについて相談すべきだと諭します。

(母・由希代さん)「(ヘルパーを)使えないっていうの分かっていて、使わんといこうと思っていたわけやん。思ってたんやな…?それでも働こうと思ったやんな…?だけどずっとそれってつきまとうことやしさ、黙っておくことじゃないから一応聞こう」

 母・由希代さんに諭された澪音さんは涙をにじませます。月40万円にもなるヘルパー代を自分で払うことはできない。でも職場に負担を求めることも難しい。ずっとこのことが澪音さんを苦しめてきました。

(母・由希代さん)「(職場でヘルパーを使える)制度があったら一番よかったんやけどな。澪音みたいなタイプの人らがさ、今まで働けなくて挫折したっていうのも、その制度があれば何でもなかったことやん」

(深田澪音さん)「働きながら、ちょっとでも現状が変わることを願って。それこそ(障がいがある子どもたちの)みちしるべになれたら、一番うれしいことやから。それがちょっとでも実現できるように」