“社会で貢献したい”夢に立ちはだかる高額な自己負担額

 手足が不自由なことに加えて、外で働くうえで大きな壁になっているのが、「ヘルパーが利用しにくい」ということです。

 重度障害者のヘルパー利用には国などの補助があるため、最大で月約3万7000円の自己負担ですみます。しかし、経済活動を行う場合は原則、除外されるため、仕事でヘルパーを使おうとすると、澪音さんの場合、月約40万円を負担しなければならないのです。

 フランスやドイツなどではヘルパーの利用用途に制限はなく、2022年国連は日本政府に対し「職場でヘルパーを利用できるようにするべきだ」とする勧告を出しましたが、今のところ変わる見通しはありません。

(深田澪音さん)「例えば通勤で(ヘルパーを)使うことができれば、生活的にはだいぶ楽になるとは思うんですけど、そこに(公費を使う)政策を作るのはなかなか難しい問題なのかなと思います。」

 澪音さんは幼いころからいろいろなことに挑戦してきました。高校では生徒会に所属、障がいについて理解を深めるイベントを企画したこともあります。
20250731tokusyu-000446401.jpg(父・克幸さん)「もちろんできないこともありましたし、ただ自分から嫌やしやめるということはなかったね」
(母・由希代さん)「自分が歩けないとか車いす乗っているとかいうことが恥ずかしいと思うことが一切ない子に育ってくれたので、そこは本当によかったなと思います」

 これからは就職し、社会に貢献していきたいと願っています。

(深田澪音さん)「障がい者だけの関わりではなくて健常者の方、家族も含めて多く機会をもらったので、やっぱり恩返しっていう意味も含めて社会で貢献したいなって」