脚本家に「書くなら今だよ」

神戸:
台本を監督から依頼されたのが、梶原阿貴さん。
「5日で書け」と言われたらしいですね。
小宮:
そうそう。でも私は全然それを知らなくて。
梶原阿貴さんは、以前に伴明監督の映画『夜明けまでバス停で』(2022年)で脚本を書いていて、私も面識はあって、どうやら、お父様が(連続爆破事件に)関わっていたぞという話は聞いていました。
『桐島です』の台本を読むとすごくリアリティがあって。
彼女なりに父世代のことをすごく調べていて、すごく思いがあって台本を書いたことがよく分かりました。
映画の撮影がほぼ終わった時、梶原さんに「本を書くなら今だよ」と話をしました。
神戸:
なるほど、映画の企画が先で、それからノンフィクションの本になった。
小宮:
そうです、そうです。

映画の脚本と自伝の筆者 梶原阿貴さん

【梶原阿貴】
1973年東京都出身。
1990年、『櫻の園』(監督/中原俊)で俳優デビュー。
『青春デンデケデケデケ』(監督/大林宣彦)、『M/OTHER』(監督/諏訪敦彦)、『のんきな姉さん』(監督/七里圭)、『ふがいない僕は空を見た』(監督/タナダユキ)などの映画に出演。
2007年「名探偵コナン」で脚本家デビュー。
その後、アニメ、テレビドラマを経て、2022年『夜明けまでバス停で』(監督/高橋伴明)でキネマ旬報ベスト・テン、日本映画脚本賞など多数の脚本賞を獲得。