再審に至るまでの経緯 警察や検察のあり方を厳しく批判

膳場貴子キャスター:
この判決では警察や検察のあり方を厳しく批判しています。再審にいたるまでの経緯をあらためて振り返りたいと思います。

駒田健吾キャスター:
前川彰司さんが逮捕されたのは1987年。当時から有力な証拠がなく、1審では無罪判決でしたが、2審では一転、懲役7年の有罪判決を受け、最高裁で有罪が確定しました。

刑期を終えたのは、2003年。翌年、前川さんは裁判のやり直し「再審」を請求します。

それから約7年がたって、ようやく再審の開始が決定しましたが、検察が異議を申し立てると、取り消されてしまいます。

さらに9年後の2022年、前川さんはあらためて再審請求を行い、その後、検察は初めて287点の証拠の開示に応じました。

その結果、警察による“供述の誘導”や、検察の“証拠隠し”があったことが明らかになり、今回の無罪判決に至ったのです。

38年前、21歳で逮捕された前川さんは、今60歳になっています。