冤罪を生み出した捜査機関の不正
JNNは、証言をした知人の一人に直接取材をしていました。

「前川さんを見た」と証言した知人(2011年取材)
「あのときに(自分は)覚醒剤をちょっと扱ってて、(警察から)そんなのを見逃してやるとか、そういうことは言われましたけど。おかしいなと思ったんですけど、これは取引みたいな感じで思いましたね」
そして今回、再審の判決で裁判長は、捜査に行き詰まった捜査機関が供述の誘導など不当な働きかけをした疑いを指摘したのです。

再審では、知人らの「証言」の内容そのものに具体的な誤りがあったことも明らかにされました。それは「血の付いた前川さんを見た」という知人が、事件当日に見たというテレビ番組のこと。その番組は実際には、事件の1週間後に放送されたものだったのです。
さらに、検察が証言の誤りを認識しながら、これまでの裁判で明らかにしなかったことも判明。今回、裁判長は「罪深い不正、到底容認できない」と厳しく非難しました。

前川彰司さん(18日)
「(裁判長から)『裁判所として前川さんに悪かった』という一言もあった。何でこんなに時間がかかったのかなという思いもあります」
服役後、2004年から裁判のやり直しを求め続けていた前川さん。冤罪を生み出した「証言」の決定的な誤りが明らかになったのは、2023年になって、ようやく検察が証拠開示に応じたことがきっかけでした。
逮捕された時、前川さんは21歳。なぜ、これほどまでの時間がかかったのでしょうか。














