トランプ氏“肝いり”プロジェクト
この計画は、1月の就任演説で「掘って掘って掘りまくれ!」と話し歓声を浴びたトランプ氏の肝いり。
アラスカの環境保護のため石油や天然ガスの掘削を禁止したバイデン政権下での規制を就任初日に撤回。開発を全面的に推進する大統領令に署名した。
またトランプ氏は、アラスカからLNGを輸出すれば貿易赤字の削減に効果が大きいとみていて、繰り返し言及するプロジェクトとなっている。
トランプ大統領(3月・施政方針演説):
「我が政権はアラスカで世界最大級の天然ガスパイプライン開発に取り組んでいる。日本や韓国などがパートナーになりたがっている」

2月に行われた日米首脳会談では、アメリカから日本へのLNGの輸出拡大で合意。トランプ氏は、アラスカで日米の共同事業立ち上げなどを目指す考えを示していた。
台湾は“積極姿勢”アピール
アラスカ最大の都市・アンカレッジで開かれたエネルギーの国際会議でも、LNGプロジェクトは主要な議題に。
この会議にもトランプ政権のエネルギー閣僚3人がそろって出席し、アピールに余念がない。

ライト エネルギー長官:
「これは世界に供給するためのガスパイプラインの建設だ。勝利するのはアラスカだけではない。アメリカ、そして世界が勝つのだ」
日本と同じく、プロジェクトへの参加を呼びかけられている台湾。
3月には公営エネルギー企業がアラスカのLNGの開発と購入に向けた意向表明書に署名していて、この日も政府高官が登壇し、積極姿勢をアピールした。

台湾総統府 秘書長:
「アラスカは我々の取り組みの中心にある」
取材した涌井文晶記者も「台湾の当局者とも話したが非常に熱量が高い」と話す。
ワシントン支局長・涌井記者:
「台湾としては中国の圧力が高まる中、安全保障の面も睨みアメリカと連携を強めたいことがあり、既にLNGの輸入に占めるアメリカ産の割合を現在の1割から3割に増やす方針も打ち出している。一方で、韓国は日本と似たようなスタンスをとっていて、コストの面で“採算が取れるのか”かなり慎重に構えている」