過去に頓挫も…日本の参加は?
実はアラスカでは、過去に何度となく同様のLNG開発プロジェクトが浮上し、頓挫してきた歴史がある。

アジアへの輸出には、アラスカ北部から太平洋に面した南部までガスを送るパイプラインを建設する必要があるが、その長さは実に1300km。東京と沖縄本島を結ぶような距離だ。
しかも通り道には3つの山脈に加え数百の川があるという厳しい環境で、440億ドル(6兆円超)という“巨額の費用”がかかると指摘されている。

これは通常のLNG開発コストの2倍以上とも言われ、日本企業からは“民間企業が採算をとれるビジネスとして成立しないのでは”という疑問の声も出ている。
松尾剛彦 経済産業審議官:
「実際にLNGがどういうコストでいつごろから提供されるようになるかが、企業からすれば大きな判断ポイントとなる」
一方、プロジェクトを主導するアメリカのエネルギー企業『グレンファーン』は、地元アラスカでのエネルギー需要の高まりもあり、「アメリカ国内の他の地域に比べても安い価格の天然ガスを安定的に生産できるプロジェクトになる」と強気だ。

『グレンファーン』アダム・プレスティジさん:
「アラスカLNGプロジェクトは、他のどのプロジェクトからLNGを購入するより20~35%コストが抑えられる予定」
グレンファーンは6月に、アメリカや日本、韓国などの50の企業が参画に関心を示していると発表した。