7月3日午後4時13分ごろ、鹿児島県のトカラ列島近海を震源とする地震が発生しました。十島村の悪石島では震度6弱を観測し、マグニチュードは5.5と推定されています。この地震による津波はありませんが、気象庁は当分の間、同程度の地震に注意するよう呼びかけています。

気象庁資料より

震源はトカラ列島近海の深さ約20kmで、発震機構は北北西—南南東方向に張力軸を持つ横ずれ断層型と分析されています。十島村の悪石島で震度6弱を観測したほか、奄美市や徳之島などで震度3〜1を観測しました。

地震発生後午後4時50分までの間に、震度1以上を観測した地震が10回発生しており、そのうち1回は震度2、9回は震度1を記録しています。

気象庁は「揺れの強かった地域では、家屋の倒壊や土砂災害などの危険性が高まっている」として、今後の地震活動や雨の状況に十分注意し、やむを得ない事情がない限り危険な場所に立ち入らないなど、身の安全を図るよう呼びかけています。

トカラ列島近海、6月から群発地震続く

今回の地震はトカラ列島近海で続いている一連の地震活動の一部と見られます。6月30日には同じ海域でマグニチュード5.3、最大震度5弱の地震が発生しました。7月2日には午後3時26分にマグニチュード5.6、最大震度5弱の地震が観測されていました。

福岡管区気象台資料より
気象庁資料より

気象庁によりますと、6月21日から7月3日午後4時までの期間に震度1以上の地震が計1031回発生しており、そのうち震度6弱が1回、震度5弱を観測した地震が3回含まれています。

6月21日以降の各日の地震回数合計(速報値)

6月21日:28回
6月22日:119回
6月23日:183回
6月24日:68回
6月25日:69回
6月26日:15回
6月27日:16回
6月28日:34回
6月29日:103回
6月30日:63回
7月1日:155回
7月2日:119回
7月3日(16時まで):59回

過去の群発地震よりもケタ違いの地震活動

過去にもこの地域では地震活動が活発化した事例があり、2000年10月2日にはマグニチュード5.9、最大震度5強の地震が発生しています。

今回の地震活動は、過去の事例と比較しても非常に活発であることが特徴です。気象庁の資料によりますと、10日程度で1024回を記録しています。これは2021年12月からの群発地震(最大M6.1)や2000年10月からの群発地震(最大M5.9)と比較しても、短期間で多くの地震が発生していることがわかります。

福岡管区気象台資料より

地震活動は、6月21日から徐々に活動が活発化し、6月30日以降にマグニチュード5クラスの地震が断続的に発生していることがわかります。特に7月2日から3日にかけては、比較的規模の大きな地震が集中しています。

気象庁資料より

気象庁は引き続き、震度6弱と同程度の地震が発生するおそれがあるとして、注意を呼びかけています。