思いが詰まった2人の店には、有坂さんのこだわりでおよそ1000冊の本が置かれています。
その中に並ぶ一冊、「命は無常」。有坂さんが書き上げたものです。

有坂栄康さん:「闘病から学んだことや気づいたことがたくさんある。それを必要とする誰かのために伝えたいと思った」
文は目線を読み取る装置で、一文字、一文字入力。1ページ書き上げるのに、およそ1時間かかるといい、本は183ページにわたります。

「誰もが必ず幸せになれます。体が動かなくても幸せを感じることができたからです。心のあり方で心の持ちようで幸せを感じることができたからです」(「命は無常」より)
この言葉に込められた思いは?
有坂栄康さん:「苦しい人、悲しい人はたくさんいる。でも絶対あきらめず歩んでほしい。幸せになれる」

麻紀さんへの思いがつづられたページも。
「病気になったのは私ですが、パートナーもまた同じように苦しみを泣いた当事者だった。パートナーの存在の大きさを痛感するとともに人生を彩ってくれたことに感謝しています」(「命は無常」より)
妻・麻紀さん:「いくつか私の内容とかも入っていたので、こんなこと思ってくれていたんだとか、実際、直接(言われることは)ないので、ちょっとうるっとしたり、そんなこともありました」

病気と向き合い、共に歩んできた2人。自分たちの取り組みで誰かを笑顔にすることが生きがいだと話します。
妻・麻紀さん:「やりたいことがあって、やりたいことができていて、みんなに伝えられて幸せだなって思いますね」
