有坂栄康さん:「歩くことのできない障がい者だって同じ人間、というふうに違いを認め合うこと」
この日集まったのは、小中学校や特別支援学校の教員およそ150人。

有坂さんが障がい者になって気づいた差別や偏見などの実状と教員時代に学んだ人権教育を現役の世代へ継承します。
教員同士が子どもたちとの向き合い方や人権を守るためにどうしたらよいかを話し合うグループワークも行われました。
養護学校の教員:「障がいがあることで感じることもあるということを学びました。その人を理解することがまず、大事だと思いました」
中学校の教員:「言葉ひとつ一つに重みがあった。苦しい中だと思うんですけど、幸せを感じる力、そういったところは私も教師という立場なので、子どもたちにも伝えていけたらと感じた」
終わりのない闘病生活。その中でも2人は新しいことに積極的にチャレンジしています。

去年2月、自宅の隣で焼き菓子店を始めました。パティシエは麻紀さんの小さいころからの夢だったといいます。
妻・麻紀さん:「お菓子作っているときが、一番何も考えずに没頭できる時間なので」

発案したのは、有坂さん。これまで自身の介護を一手に担ってくれていた麻紀さんを思い、ヘルパーの力を借りてほしいと頼みました。
心身ともに負担が増していた麻紀さんに好きなことに夢中になってほしいという願いからです。
妻・麻紀さん:「退院してすぐは24時間毎日、私が(面倒を)見ていて、家族に負担をかけるのが嫌だったみたいで、私の人生は私の人生でという気持ちがあったみたい。私のために考えてくれたんだというのはあったので」