減反政策の限界
次に「本丸は生産の問題です」と加藤氏は強調する。長年続けられてきた「減反政策」が現在の問題を引き起こしている根本原因だという。
減反政策とは、コメが余ると価格が下がるため、田んぼの面積を減らして生産量を調整し、減らした面積や他の作物への転作に応じて補助金を出す国の政策だ。「長年、米を減らすことにお金をかけてきた」と加藤氏は表現。
「確かに日本人のコメの消費量は随分減ってきました。さらにコロナもあった。それと並行して農家の高齢化、減少も進んだ。その結果が突然、コメが足りないという形で噴き出した。生産者の育成など、農業全体を考えた政策の欠如」と批判する。

近年はコメの需要に関する状況が変化している。訪日外国人の増加や海外での日本食人気により、輸出も可能になっている。
「イタリアが小麦を加工してパスタを輸出しているように、コメを加工して日本食を海外に輸出することもできる。従来の発想を根本的に変えないといけない」と主張した。