『農政トライアングル』政治構造の問題点

加藤氏は、コメ政策の背後にある政治的構造にも言及した。「本丸の背後にあるのが政治の問題です。農協と農水省と自民党政権の『農政トライアングル』と言われるもの」と説明する。

「農協は協同組合であることからも分かるように、元々は農家が不得意なところをサポートする組織だったが、今や金融から結婚式、お葬式の会場運営まで自ら様々な事業を行っている。地域によっては農協の職員は、農家の数より多い。その結果、農協の事業を維持することが目的になっている」という構造的問題を指摘する。

そして「政治家にとっては、農協を含めた地方の組織票が非常に大事なので、そこに手を突っ込みたくない。7月には参院選が予定されており、それぞれの政党がどういったコメ政策を持っているのかを見て、一票を投じていくことが大事」と国民の役割も強調した。

米価高騰の背景には、応急処置的な対策だけでなく、流通構造の見直し、減反政策からの転換、補助金制度の改革、そして政治的な構造改革が必要であることがわかる。日本の食料安全保障と農業の未来のために、根本的な政策転換が求められている。