「告発者と告発内容の分離」の重要性

法政大学大学院の白鳥浩教授はまず、「告発文書の内容」と「告発者自身」とを切り離して考えるのが重要としました。仮に告発者の私的情報の中にモラルを疑わせるような内容があったとしても、「書いた人が(仮に)変な人だからといって、告発文書の内容が初めから議論に値しないというレッテルを貼るのは誤り」と述べました。
そして、第三者委員会が「知事の指示の可能性が高い」と結論づけた点について、「かなり踏み込んだ認定内容だ」と指摘しています。
――なぜそのような判断に至ったと考えますか?
「情報を漏洩した元総務部長や、元副知事など他の関係者の証言が概ね一致しているのに対し、斎藤知事だけ言っていることが違う。ということは元総務部長の証言の信憑性が高いと判断されたのではないか」(白鳥教授)

教育アドバイザーの清水章弘氏は、「いまのSNS時代、人は信じたいものを信じるようになっていますから、第三者委の調査結果によって、どれくらいの結果につながるのか、分断はそのままになるのではないか」と懸念を示しました。これに対し白鳥教授は、「第三者委には、裁判官を務めた弁護士らが入っているので信憑性は高いと考えられる」としています。