「藍屋」⇒「資さん」既存店を続々転換
すかいらーくは「資さんうどん」を最終的に全国約300店まで拡大する計画で、グループ既存店からの転換も進めている。
同一エリア内で、グループの飲食店同士の競合を解消し、エリア全体の利益を底上げするのが狙いだ。
5月8日まで和食ファミレス「藍屋」として営業していた埼玉・三郷市の店舗は現在工事中で、6月末に「資さんうどん三郷店」としてリニューアルオープンの予定。部分的な改修で出店コストは3分の2程度で済むという。

5月24日時点で全国79店舗で、関東に4店、関西に6店出店済。今後も強気の出店を計画している。
【資さんうどんの出店計画】
▼2025年⇒関東・関西で21店
▼2026年⇒関東・関西を中心に50店
▼2027年以降⇒年間100店ペースで全国展開(200店程度の転換候補店舗を検討)
2027年以降は、200程度のグループ既存店を資さんに転換する予定だが、その背景には何があるのか?
“資さんファン”を公言し、「35年前から食べ続けている」という『すかいらーくホールディングス』の谷真会長に聞いた。

谷真 代表取締役会長CEO:
「人口減少や高齢化も含めて、当社の基盤であった地方の郊外・ロードサイドの店舗群は少しずつ地盤沈下している。資さんへの業態転換によってその地域のポテンシャルをもう一度引っ張り出そうと。今のところ売り上げはものすごく高いし、大体年間6店の新店と、グループ内の既存店を20店ぐらい転換してくと十分採算が合う」
ーー例えば「ガスト」が3店あるようなエリアでは?
谷会長:
「ガストは1つ残して、1つは資さん、1つは“良い食事で豊かな時間を過ごしたい”というニーズに応える<カジュアルダイニング>に変えていくようなことが、この5年から10年の間で確実に起こってくる」
資さんは「すかいらーくの大黒柱になる」
そもそも、すかいらーくが「資さんうどん」を買収した背景には、【グループ内の国内ブランドの“空白領域”】がある。

▼【カジュアルダイニング】+【高単価】⇒藍屋・しゃぶ葉・ペルティカなど
▼【ファミリーダイニング】+【高単価】⇒ジョナサン・バーミヤン・「ガスト」など
▼【ファミリーダイニング】+【低単価】⇒“空白領域”
谷会長:
「長い20年、30年のデフレを経て、コロナ禍の後にコストも人件費も上がり、ガストも従来の【ファミリーダイニングで低価格路線】の領域から【高単価】にシフトしている。ファミリーなど客層が広く、かつ低単価のブランドがなくなってきて空白地帯が生まれてきている。そこを国民食のうどん、資さんで埋めたい」
ーーゆくゆくは、ファミリーダイニングでの高価格帯は「ガスト」、低価格帯は「資さんうどん」が背負っていくと

谷会長:
「5年10年を経ずに、<ガスト>と<資さん>がすかいらーくグループの2本柱で、あとは<カジュアルダイニングで高単価>のブランド群、この3つを徐々に成長させていくということになる。資さんうどんは“すかいらーくの大黒柱”になると思う」