九州で唯一の女性刑務所「鍵はありません」

ダビッドさんは芸術家になるという夢を実現し、フランスの刑務所などでワークショップを開いてきた。日本の刑務所で活動するのは、今回が初めてだ。

ダビッドさんが訪れたのは、佐賀県鳥栖市にある麓刑務所。九州で唯一の女性刑務所だ。窃盗、覚せい剤取締法違反、殺人などの罪を犯したおよそ180人の受刑者が収容されている。

初めて日本の刑務所に足を踏み入れたダビッドさん。「刑務所には見えない」とつぶやいた。

ダビッド・メスギッシュさん
「ヨーロッパの刑務所に比べたら、比べものにならないくらいきれい。ヨーロッパの刑務所ではネズミがはしりまわっているのを何度か見ましたよ」

案内役の刑務官が説明する。

刑務官
「特徴的なのは、部屋の鍵がないということです。職員と受刑者の信頼関係を大切にしています。落ち着いた生活がないと受刑生活が始まらないので。安心できる落ち着いた環境を提供するというのも日本の刑務所の役割です」

翌日、いよいよ日本の受刑者と対面する。

ダビッド・メスギッシュさん
「あしたは良いスタートを切りたいです。受刑者たちに興味を持って、楽しんでもらいたいです」